鯉のぼりの部位と種類(真鯉・緋鯉・吹流し)について:色の意味も解説
空を泳ぐ鯉のぼりは、単独ではなく、様々な種類があります。真鯉や緋鯉など、それぞれに特徴があります。また、鯉と共に風になびく「吹流し」にはどんな意味があるのでしょうか?この記事では、鯉のぼりの種類や色の意味、各部位の名称についてわかりやすく解説します。
鯉のぼりとは?
鯉のぼりは、男の子の誕生や健やかな成長、将来の成功を願って立てられる「鯉の形をした旗」です。旗は、長い棒につけられた細長い幟のことを指します。平安時代から、戦いで味方と敵を区別するためや、軍のシンボルとして用いられてきました。現代では、大相撲での力士の名前、歌舞伎や演劇での役者の名前を記載したり、神社のお祭りや選挙の告知に使われたりと、様々な場面で活用されています。
鯉のぼりの各部位の名称
鯉のぼりには様々な部品があります。
回転球(かいてんきゅう):鯉のぼりの最上部にあり、光を反射する球形の装飾です。これは「この家には男の子がいる」という印として、天の神々に知らせるためのものです。江戸時代末期からは、竹で編んだ球形の籠「駕籠玉(かごだま)」が飾られるようになり、次第に豪華な装飾へと進化しました。
矢車(やぐるま):回転球の下に取り付けられ、風車や車輪の形をしています。風が吹くと音を立てて回転し、武士の矢をモチーフにした魔除けの意味があります。
鯉のぼりの種類と意味
鯉のぼりは上から順に「真鯉」「緋鯉」「青い鯉」という3匹が基本です。そして、一番上には「吹流し」があります。
真鯉:最上部に位置する黒い鯉で、「お父さん」を象徴しています。黒色は家族の大黒柱を意味します。
緋鯉と青い鯉の彩りとその意味
緋鯉(ひごい)
「緋鯉」は、漢字で「ひごい」と書かれ、真鯉の下に位置する赤い鯉を指します。これは「お母さん」を象徴し、赤色は生命の力を表しています。
青い鯉
「青い鯉」は緋鯉の下に泳ぎ、「子ども」を表す鯉です。青色は若さや新鮮さを意味します。
鯉の配列は家族の絆を象徴しており、家族が増えると、緑や紫、ピンクなどの色の鯉も追加されることがあります。
吹き流しの彩りとその意義
吹き流しは「魔除け」の役割を持っています。その色は青(緑)、赤、黄、白、黒(紫)の五色で構成されており、これらは古代中国の五行思想に基づき、木、火、土、金、水の元素にそれぞれ対応しています。五色が揃うことで、魔除けとしての力が発揮され、幼い子どもを守るとされています。また、五色の吹き流しは神様に早く気づいてもらうための意味も込められており、男の子が生まれたことを神様に伝えるために用いられることがあります。
鯉のぼりの大きさとその種類について
鯉のぼりは、家庭によってさまざまな大きさがあります。一般的に見られるサイズは以下のようになります。
大きなものでは、「吹き流し・真鯉」が約5メートル
中間のサイズでは、「吹き流し・真鯉」が約2メートル
小さなものでは、「吹き流し・真鯉」が約10センチメートルから1メートル
サイズの基準は一定ではなく、製造元や店舗によって異なる場合があるため、購入する際には実際のサイズを確認することが重要です。
近年、都市部では小さめの鯉のぼりが多く見られますが、田舎では広い庭を持つ家で大きな鯉のぼりが飾られることがあります。大きな鯉のぼりは見応えがありますが、小さな鯉のぼりにも子どもの誕生と健康な成長、そして将来の成功を願う心が込められています。
空を泳ぐ鯉のぼりを眺めながら、子どもの誕生を祝い、彼らの輝かしい未来を願いましょう。
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