「土用」はどの季節の季語?その意味や活用例、俳句での使い方を詳しく解説
「土用」という言葉を聞いたことがありますか?この言葉は、俳句や連歌において非常に重要な季語とされています。今回は、多彩な表現で使用される「土用」の意味や使われる時期、その重要性について掘り下げてご紹介します。
「土用」の意味とその定義
「土用」とは、各季節の直前の18日間を指す言葉で、特に夏の「土用の丑の日」で鰻を食べる習慣が広く知られています。具体的には、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前の18日間が「土用」期間にあたります。「丑の日」は、ある特定の日が十二支の「丑」に該当する日を意味します。
「土用」の季節的な位置づけ
俳句の世界では、「土用」は「晩夏」の季語として位置づけられています。これは、夏の終わりの時期を象徴する言葉であり、この期間に俳句を詠む際に使われることが多いです。また、この季語には「土用前」「土用入」「土用太郎」などの子季語も存在します。これらはすべて夏の終わりに焦点を当てた季語として使われます。
「土用」の使い方
「土用」は季節ごとに存在し、俳句ではそれぞれの季節の「土用」を象徴する言葉として活用されます。「春の土用の頃」というような表現で使用されることがありますし、「丑の日」と組み合わせて「夏の丑の日」「春の丑の日」などと使われることもあります。このように、俳句では季語として非常に頻繁に使用される言葉です。
季節の言葉「土用」を詠む俳句集
市街の喧騒と共に、夜の両国を明るく照らす土用(小林一茶)
(ひとごえとともに よるのりょうごくを あかるくてらす どよう)
ふるさとの畳をそっと掃き清める、土用の爽やかさ(日野草城)
(ふるさとのたたみを そっとはききよめる どようのさわやかさ)
朝の雨がしっとりと地を濡らす、土用の清朝(正岡子規)
(あさのあめが しっとりとちをぬらす どようのせいちょう)
開花した貧しい薔薇が季節の移ろいを告げる土用(鈴木真砂女)
(かいかしたまずしいばらが きせつのうつろいをつげる どよう)
まとめ
季語は、俳句に限らず、手紙やビジネス文書での季節の挨拶にもしばしば用いられます。日本の四季を象徴するこれらの言葉は、美しい情景を繊細に表現し、眺めるだけで心が豊かになります。季語を活用して、実際の風景と照らし合わせて季節の感覚を深めるのも一つの楽しみ方です。日本独自の「季語」で季節の変化をより深く感じてみましょう。
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