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お盆に絶対やってはいけない10のタブー【知らずに後悔しないために】

夏の終わりが近づくころ、どこからともなく漂ってくるお線香の香り。蝉の声が夕方の空気に溶け込み、心がふっと静かになる、そんな時間があります。

お盆やってはいけないこと

「お盆ってお墓参りをする日でしょ?」──そう思って過ごしてきた方も多いかもしれません。でも、実はお盆には「これはしてはいけない」というタブーがいくつもあるんです。

今回は、「お盆にやってはいけないこと」について、丁寧に、そしてやさしく解説していきます。

お盆とは?その由来と意味を改めて解説

お盆は、仏教に由来する日本の伝統行事。「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という仏教行事からきており、古代インドの「ウランバナ(逆さ吊りの苦しみ)」が語源です。

目連尊者というお釈迦さまの弟子が、地獄で苦しむ母を供養したという説話に基づいており、ご先祖さまの霊を迎えて供養する期間とされています。

一般的にお盆の期間は8月13日から16日。東京などでは7月に行う地域もあり、地域差があります。

ちなみに13日は「迎え盆」、16日は「送り盆」とされ、ご先祖さまをお迎えして見送るという、流れるようなリズムが込められているのです。

初盆(新盆)は、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆で、特に丁重に供養を行う風習があります。また、旧暦で行う「旧盆」という地域もあります。

「お盆」と「お彼岸」の違いについても混同しやすいところですが、お彼岸は春分・秋分に行われる仏教行事で、「自分が仏道を実践する」ことがテーマ。一方お盆は、「ご先祖さまの霊を迎え、供養する」という点が大きな違いです。

お盆にやってはいけないこと10選【タブー行動と理由】

【1】殺生や釣り・水辺の行動

お盆の期間は、殺生を避けるというのが基本的な考え方。魚を釣ったり、キャンプで虫を殺したり、水辺で遊んで事故に遭うなどの行為はご先祖様の霊を穢すとされています。命に対する敬意を持ち、静かに過ごすことが勧められています。

【2】賑やかな娯楽施設や旅行

テーマパークやライブ、賑やかな旅行先などへ出かけるのはお盆にふさわしくないとされています。特に初盆の家族にとっては、ご先祖様との静かな時間を大切にする期間です。娯楽や騒ぎごとは、少しだけお休みしてみてはいかがでしょうか。

【3】結婚式や入籍、納車、引っ越しなどの慶事

「お盆に慶事は避けるべき」というのは、古くからの考え。祝いごとは故人への敬意に欠けるとされ、控えるのがマナーです。特に年配の親戚が気にすることもあるため、予定がある場合は配慮を忘れずに。

【4】肉・魚中心の食事と精進料理の考え方

お盆の供養では、精進料理(動物性食品を使わない料理)を供えるのが基本です。お供えや会食でも、過度なごちそうよりも、素朴な食事で心を込めるほうが喜ばれます。「おもてなし」よりも「思いやり」を大切に。

【5】仏壇・盆棚の掃除をお盆期間中に行う

お盆中の掃除は「霊を追い出す行為」として避けられる傾向があります。準備はお盆が始まる前に済ませ、期間中は静かにお迎えするのが望ましいです。

【6】迎え火・送り火のやり方を誤る

ご先祖様の霊が迷わず帰れるように行う迎え火・送り火。火の扱いには細心の注意を。途中で吹き消すのはマナー違反とされることもあるので、ゆっくりと静かに燃やすようにしましょう。

【7】派手な服装やノーメイクでの参列

法要やお墓参りでは、華美な服装や過度なアクセサリーは控えましょう。逆に、部屋着やラフすぎる格好も避けたいところ。派手すぎず、だらしなくもない装いが大切です。

【8】精霊馬・精霊棚の飾り付けの間違い

きゅうりの馬やなすの牛は、それぞれ意味があります。馬に乗って早く来てもらい、牛に乗ってゆっくり帰ってもらうという考え。飾る向きや場所にも地域ごとの作法がありますので、確認しながら丁寧に設えましょう。

【9】喪服や小物選びの失敗

法要や供養の場では、TPOに合わせた服装と小物選びが必要です。略喪服か正喪服か、数珠や香典の準備なども含めて、落ち着いて用意しましょう。

【10】「やってはいけないこと」ばかりを気にしすぎる

実はこれがいちばん大切かもしれません。「こうしなければいけない」と思い詰めて、心がこもらなくなってしまうと、本末転倒です。形式よりも、心を込めることが何よりの供養です。

お盆の準備・やることリストと正しいマナー

・仏壇や盆棚を整える
・お墓参りの予定を立てる
・供養の品やお供え物を用意
・盆提灯の設置や精霊馬の準備
・家族で迎え火・送り火の相談
・法要の日時確認・服装準備
・祖父母や親戚への挨拶

このように、段取りをリストアップしておくと、あわてずに心のこもった準備ができます。

知っておきたい!お盆に関するよくある質問

Q:「お盆って意味あるの?」
A:あります。形を守ることよりも、心を向けること。先祖への感謝を思い出すことが大切です。

Q:浄土真宗ではどうするの?
A:浄土真宗では「霊が戻る」とは考えず、迎え火などの風習を行わないこともあります。宗派の考えを尊重しつつ、心を込めることが第一です。

Q:親戚との過ごし方で気をつけることは?
A:過度に堅苦しくならず、気持ちを大切に。話すこと、食卓を囲むことも立派な供養になります。

お盆のタブーを守る意味と、これからの過ごし方

なぜ「やってはいけないこと」があるのか。それは、亡くなった方への敬意や、命の尊さを見つめ直すための知恵だからです。

「昔ながら」を押しつけるのではなく、「今の私たちにできること」を考えることも大切な供養。小さな一歩でも、心がこもっていればきっと届きます。

まとめ:お盆やってはいけないことを押さえ、大切な時間を

お盆は、ご先祖さまと心を通わせるための季節。
静かに、ゆっくりと、感謝の気持ちを持って過ごすことが何より大切です。

やってはいけないことを守るというよりも、「やさしい気持ちで向き合う」こと。

今年のお盆は、少しだけ立ち止まって、大切な誰かに想いを馳せてみませんか?

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