夏になるとクリーニング屋さんの店頭に
汗抜きクリーニング
というのぼりや
ウェットクリーニング又はWクリーニング
などと言うのぼりが出ます。
この二つはどう違うのか?同じなのか?不思議に思ったことありませんか?
汗抜きクリーニングとは
汗抜きクリーニングとはいったいどういうことなんでしょうか?
クリーニングしたらなんでもきれいになるのでは?
そう思うのが一般的です。
しかし、
街中のクリーニング屋さんの洗い方って知っていますか?
水洗いできないものはドライクリーニングと言って
溶剤で洗うのです。
溶剤とは 簡単に言えば油で洗うんですね。
汗のような水気の汚れは油で洗っても落ちないのです。実は。
でも夏の衣類は汗まみれ・・・。
油で洗っても肝心の汗は落ちません。
この汗が残っているとこんなことが起こります。
- 臭いにおいがする
- 湿気のあるとき ズボンならば汗がたくさんつく膝や膝裏にまた汗のシミが浮いてくる
- ゴワゴワする
このようなことが起こると消費者としてはきれいになっていない!!となって
クリーニング店に文句言いたくなりますよね。
ではなぜ汗が落ちないと分っていて油で洗うのでしょうか?
それは手間がかからないようにするためです。
油で洗うと洗いあがった衣類はしわが少なく簡単に仕上げができます。
水で洗うとしわしわになり、また水で洗う表示が✖の衣類もあります。
しわが行くと仕上げに時間がかかり効率が悪くなってしまうんからなんです。
そこで油で洗うのですがその油の中に 汗の成分を取る助剤を入れて洗うというのが
汗抜きクリーニング
というものなのです。
しかし、この汗抜きクリーニングでは 汗は取りきれません。残ってしまいます。
完全に取りきれる洗い方はないのでしょうか?あるのです。
ウェットクリーニングとは
そこで登場するのがウェットクリーニングです。
早い話水洗いです。
水洗い✖の衣類を水で洗う。大丈夫なの??と思いますが
プロが洗えば大丈夫^^
しかし根本的に水で洗えない繊維で作ってある衣類は洗えません。
例えば
- 水洗い✖のレーヨン
- 水洗い✖のアセテート、トリアセテート
- ウールでも水洗いに向いていない生地
- ・・・
などその繊維の状態や織り方、染色などいろんな条件でほんとに水洗いできないものがあります。
その辺りプロの目で見ないと分らないところです。
しかし水洗い✖でも水洗いできるのもの多くあります。
いくら水洗いできると言っても洗濯機でガンガン洗うことはしません。
手洗いやウェットモードのある洗濯機などで洗います。
こちらは水で洗うので汗は完全にきれいに落ちます。
こちらが本当の汗抜きクリーニングとなります。
ただ、しわがかなり出るので仕上げは手間がかかりますので
料金的にも別料金となるわけです。
この仕上げができるかどうかで
汗抜きクリーニング と ウェットクリーニングに分かれるのです。
システム化され流れ作業になっているクリーニング店では多くが
「朝預かって夕方お渡し」になっています。
このシステムだと時間がかかってしまい間に合わなくなってしまいます。
これを避けるために汗抜きクリーニングと称して 洗う油の中に汗を取る助剤を最初から混ぜて洗えば
少し汗が取れて仕上げも今まで通りにできるので少々しか取れなくても
「汗抜き」効果をうたい集客しています。
ウェットは手間暇がかかるために 昔ながらのクリーニング店などでやってくれます。
やはり技術がいるのでこれは流れ作業ではできないものです。
汗抜きクリーニング ウェットクリーニング どちらにするか
消費者としてはどうすればいいのか?
ほんとは水洗いできる衣類はウェットクリーニング
水洗いがほんとにできない衣類は汗抜きクリーニング
ということにすればいいのですが 判断がつきません
朝だし夕方のクリーニンング屋さんで聞いてもこれはたぶん店員さんでも判断が付かないと思います。
受付だけの店ではそこで洗っていないのでわからないからです。
その店で洗っているクリーニング屋さんでどうすればいいかアドバイスをもらうといいですね。
汗を衣類に残したまま仕舞ってしまうと 次着るときに
黄変していたり 臭ったり ゴワゴワで固かったり 虫食いになっていたり
色々と不具合が起こる可能性が高くなります。
夏物しまう前にはウェットクリーニングで完全に汗を落としてからしまうようにしたいものです。